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2008年2月9日土曜日

ハードウェアOS

日経エレクトロニクス最新号が届きました。

幾つか興味深い記事はありましたが、やっぱりハード屋としては「OSをハードウェア化して高速化」が気になります。

記事によると、ネットクリアシステムがリアルタイムOSであるuITRONのほとんどの機能を持つLSI「ARTESSO」を開発したとのこと。OSをハード化することによって、システムコールの実行や、割り込み応答が100倍程度高速化できるらしい。ネットワーク処理や、自動車のエンジン制御といった分野などの、高いリアルタイム性能が要求される分野をターゲットとして、CPUとともにLSI化し、2008年第2四半期にサンプルチップを出荷する予定とのこと。


システムコールとは、OSにあるさまざまな機能を呼び出すことです。つまり、機能を使うこと。ソフトウェアがc言語であれば、open()とか、write()なんて書いて、ファイルにアクセスします。で、ソフトウェアOSは、いまのプログラムをそこで一旦止め、さまざまな変数を書き換え、システムコールをプロセッサにさせ、それが終わったら、もとのプログラムに戻ります。

ハードウェアOSであれば、CPUで実行しているプログラムはシステムコールを発行したら、あとはこのLSI部分がその処理を行うことになります。そのあいだ、CPU上のソフトウェアは何もする必要がなく、LSIがハード的に処理した結果を待っていればよいでしょう。OSが処理していた動作をこのLSIが行うと、10クロック程度で実行できるとのこと。

このように、ソフトの汎用性、ハードの処理性能を適正に使い分けることで、より効率的なシステムが生まれてくることになるでしょう。これに加えて、動的再構成が可能なハードウェアを使って少ないリソースを有効につかうことができれば、さらに効果的かもしれません。

2008年2月3日日曜日

USB3.0の仕様

現在、仕様策定中といわれるUSB3.0について、現在分かっていること(仕様変更はあるかも)をまとめておきます。


1.伝送速度:5Gbps --USB2.0の最高伝送速度480Mbpsの10倍。これはほぼ確定のようですね。ですが下で書いたようにさらなる高速化も検討されているとのこと。


USBでは使う転送速度によって○○モードと名前が付けられています。

1.5Mbps:LS(ロウ・スピード)モード 
12Mbps:FS(フル・スピード)モード
480Mbps:HS(ハイ・スピード)モード ⇒USB2.0のみ

さて、5Gbpsでは、何と呼ばれるのでしょうか?ハイパーだとHでかぶるし、まさかスーパーでSSモードじゃないだろうし。


2. コネクタのピン数:9本 --現行USBが4本なのに対し、さらに5本増加して、9本になるとのこと。以下にその9本を示します。5~9のピン名称、ピン番号は正式な仕様ではありませんのでご注意を。

1)Vbus : デバイスに対する電源。USB2.0までは5V、0.5Aが最大出力でした。
2)D- : 信号線。D+との差動信号になります。入出力共通です。
3)D+ : 信号線。D-との差動信号になります。入出力共通です。
4)GND : GND電位を合わせます。
5)(追加).TX+ : ホスト→ターゲットへの送信。6との差動信号。
6)(追加).TX- : ホスト→ターゲットへの送信。5との差動信号。
7)(追加).GND : GNDがもう一本増えます。
8)(追加).RX+ : ターゲット→ホストへの送信。9との差動信号。
9)(追加).RX- : ターゲット→ホストへの送信。8との差動信号。

送受信にUSB3.0用の差動信号ペアが2対追加されるとのこと。この5本が現行コネクタ内の隙間?に配置され、コネクタとしては下位互換、つまりいままでのUSB機器が使えるようなコネクタになるようです。

3. 伝送プロトコルの変更:USB3.0はポーリング廃止 --USB2.0まではとにかく、ホストがすべてのデバイスに対して一定時間間隔で、送信要求がないかを確認していたため、CPUのリソースが常にUSBのために必要となり、消費電力的にも問題となっていましたが、USB3.0ではデバイス側からも送信要求が出せるような仕様に変わるとのこと。

4. 将来的な光伝送のサポート:とりあえず再来年あたりに登場するUSB3.0は銅線による伝送であるが、いずれこれが光ケーブルに拡張され、さらに伝送速度が向上するとのこと。

上記以外にも仕様についていろいろ報じられていますが、明確なところはこれぐらいでしょうか。
これだけ伝送速度があがると、USBで出来ることが増え、いろいろな用途で使われると思いますが、ハード・エンジニアにとっては伝送品質確保の問題で何かとまた苦労することになりそうです。