2008年2月21日木曜日

日立がメインフレーム後継機を発表

IT Mediaエンタープライズの記事2/21より。

日立、メインフレーム後継機となるエンタープライズサーバとOSを発売

日立製作所は、メインフレーム製品の後継機となるエンタープライズサーバ「Ap8800」およびオペレーティングシステム「VOS3/US」を2月22日に発売する。オープンシステムとの連携や統合運用管理機能を拡充した。


日立よりエンタプライズサーバAp8800が発表されました。メインフレームの後継機という位置づけになるようです。

メインフレームの後継と言う意味を知るためには、メインフレームというものをよく知る必要があるでしょう。ここで、ちょっとメインフレームのお勉強をしてみましょう。

メインフレームって何?

誰かにこう聞かれたとき、あなたは何と答えるでしょうか。これはこの言葉が生まれた当時の時代背景を考える必要があります。1960年代当時、いまのようにあらゆる電子機器にコンピュータが入っている時代ではありませんでした。コンピュータはその使い方によって、専用機と汎用機という概念で区別されました。

専用機とは、スーパーコンピュータ、制御用組み込み機器、事務処理用(オフコン)などに相当します。これらは特定の用途のみのため使用されます。一方、さまざまな目的(商用、学術用)のため、機器構成を自由に変えて使用できるコンピュータを汎用機と呼びました(今の時代で汎用コンピュータといったら、家庭にあるパソコンのことでしょう)。システムの中心となるコンピュータに多くの周辺機器や端末を接続して使用することから、この中心部分がメインフレームと呼ばれたといわれたそうです。

歴史的な背景からメインフレーム=汎用機という回答は正しいと思いますが、それだけでは回答として不十分です。現在のサーバとしての位置づけからメインフレームを説明することが必要になってきます


これらの汎用コンピュータはIBMをはじめ、さまざまなメーカ、ベンダから販売されてきました。しかし、これら機器や、ソフトウェアには互換性がありませんでした。各社独自のプロセッサ、OS、プロトコルによって動作しているためです。時代は流れ、情報化社会がわずかずつ広がるにつれ、コンピュータ、周辺機器もアーキテクチャの共通化、互換性が求められるようになってきました。OSとしても、UNIX、Windowsが登場し、共通のフォーマットでデータを扱う時代がやってきました。このような、多数のメーカによってハード、ソフトが構築できるシステムをオープンアーキテクチャ、オープンシステムと呼び、従来のメーカ独自技術によって動作するメインフレームと対比されるようになりました。

現在は、企業の基幹システムとしてはデータの互換性の低く、かつ柔軟性のなくなってしまった「元汎用機」であるメインフレームのシステムは徐々にオープン系のシステムに変わりつつありますが、一気にそうならない理由は、システムの以降の難しさにあるようです。また、メインフレームは長い歴史の中で、安定性を追及してきたこともあり、非常に高い安定性を誇ることも、根強い人気の理由です。

メインフレームの後継である位置づけであるサーバ「AP8800」と、OS「VOS3/US」は、言わずもがなですが、メインフレーム並みの高信頼性、既存資産の活用、オープンシステムとの高い連携性(データの互換性)を特徴としています。それに加え、セキュリティ機能、監視機能等を搭載しているようです。

今後、新規に採用されるシステムはほとんどオープン系でしょうから、各社のメインフレームアーキテクチャの多くははいずれは消えゆくと思います。しかし、オープン系の厳しいシェア争いのなか、一定の需要を持つメインフレームをすぐにやめることのできるメーカはほとんど無いというのが現状でしょう。

0 件のコメント: